匂い

「声」が届けられたとして、私がそれに「声」で返すとする。相手はそれでここに応答が成り立っているし、私が応じていたのだと思うだろう。

場には幾つかの不確定な要素がある。その一つとして匂いがある。匂いは今では信号としての役割を持っていない。しかし、私たちの「会話」の中の全体に掛かるバイアスとして匂いが作用している可能性はないだろうか。

匂いは場をゆっくりと漂う。それは何かかから発していることもあり、複数の様々なものとの複合として場の匂いを作っていることもある。落ちつかせる匂いや、郷愁を誘うような匂いもある。いずれも急激な変化はしない、ゆっくりとその場にあり、場の雰囲気を作るものだ。

鉤括弧で括っている「声」、「会話」を例えばチャット上のメッセージと考えてみる。その場に匂いとして対応するものはあるだろうか。ざわめきでも、水面の煌めきでも表現しえない機能として。